月別アーカイブ: 2013年8月

8/12

yamazaki0806竜王戦で面白い戦型を見ました。右は郷田山崎戦における後手急戦矢倉10手目の場面です(先後逆)。随分前からあるそうですが、私はこの将棋を見るのは初めてです。しかし、飛車先不突き矢倉に対して非常に有効な急戦ではないかと思いました。「飛車先不突き矢倉」は本当に成立しているのかどうか、というのがこの戦法で分かるようになると思います。

先手の飛車先不突き矢倉は、数十年指されている主力戦法ですが、序盤は金銀を動かして陣形を整備するだけになります。後手からの急戦はすべて封じ込められるという前提がないとこの戦法は成立しないのですが、飛車先の歩を突かず、反撃体制を築かずに受けきれるのだろうか、という懸念も当然出てきます。

yamazaki0806_14次は14手目、早くも後手が仕掛けます。この局面だけを見ると、お互いに居玉、後手だけが軽快に攻めの形を築いていて、先手は陣形整備の途中です。先手が飛車先の歩を突いたのは25手目でした。最終的に25歩まで伸ばす形になりましたし、結局間に合うのなら、やはり飛車先の歩は保留したほうが得なのでしょうか。

 

普通に76歩84歩68銀34歩と進むと、山崎流の53銀は避けられないかもしれません。以下66歩62銀56歩54歩48銀。48銀のかわりに58飛車とすれば、後手は居飛車穴熊に囲ってしまうでしょう。53銀が来る前に飛車先を突くタイミングはあるのか。56歩のかわりについても、53銀と指す保証はありませんから、53銀の後に26歩を入れることになる。タイミングはどこがよいのか。本局先手が勝ったわけですし、その手順を踏襲してさせるのかもしれませんが。

後手としては、主導権を握れそうなのは大きく、それだけでも先手矢倉に対して有力な戦法ではないかと思います。

もしこれが有力な矢倉対策だして、1つ考えられる展開としては、76歩84歩に26歩、そこで32金なら68銀とする。これなら飛車先を突いた矢倉にスムーズにできます。以下34歩66歩42銀のような展開でしょうか。そこで後手がそのような展開の曖昧さを嫌うなら、76歩84歩26歩には34歩と指すほうがよさそうです。しかし、私が後手なら84歩と指したら矢倉から角換わりを狙って26歩には32金と指すでしょう。いわゆる91手組(先手有力定跡)が消えており、矢倉になっても不満なしとみます。

8/9

oui0809将棋王位戦 横歩取りでした。後手から見た陣形が右です。なんとも、危うそうな場所にいるのですが、この将棋を勝ったのは後手でした。後手の金銀の形は美濃囲いと同じで強度はそこそこあるが柔軟性はなく一度乱されると修復は困難です。後手はこのような連結を2つつくっているので、先手の攻めが間に合う前に相手を仕留めてしまおうという狙いに見えます。また、それができないときは、左右どちらかに逃げ出せそうです。先手の陣形は「中住い」といって、中央の玉、銀、金が対称的に並びます。上部からの攻めにしばらく耐えられ、左右どちらかに逃げることができます。先手の中住いは、後手と違い修復や強化も可能です。66歩~67銀としたりするのが一例です。

先手は一時期、後手の横歩取りに対して勝率が下がりましたが、タイトル戦で短手数勝利となりますと、再び流行するかもしれません。

王位戦

棋譜