月別アーカイブ: 2013年4月

電王戦4

http://ex.nicovideo.jp/denousen2013/taisen.html

 

第4局は熱戦の末引き分けでした。大変な劣勢を引き分けに持ち込んだ後手の塚田九段、すごい粘りでした。

定跡書読み直してみると、73桂には、46銀37桂でよいのですね。73銀だと25歩(本局の場合は反対)。矢倉戦で銀を83(27)に打ち込むのは、筋としてはありますが、本局だと入玉模様になるので、あのタイミングでいいのかどうかは微妙です。後手としては、64歩ととめて、45歩から盛り上がっていきたいです。

必ず銀が入るなら、73桂型(本局だと先手37桂)から南流で攻めるのも有力かもしれません。46銀37桂38飛車にはつねに本局の銀打ち(83)からもたれる手があるということになります。

 

(以下参考)

本局、先手COMが飛車先を突く古典的な矢倉。後手は先手郷田流の形から森下システムを狙える形、森下システムにはせず攻撃的な64銀73桂型を採用。先手は後手73桂戦法(の先手版)から、「南流」の桂損作戦。先手後手入れ替わるややこしい展開ながら、この南流への対抗形は通常85歩(25歩)型です。このあたり、後手にとっては終盤の形がなんとなく読みにくくなっていたと思います。64歩、45歩から盛り上がるのは無理だったのか?とかいろいろ考えてしまいました。矢倉は複雑ですが、じっくり指すのが好きな人には向いていると思います。

ひょっとして、先に郷田流を見せたので73桂型を先手に応用したのでしょうか?なかなか高度なソフトです。作戦勝ちとまではいかないと思うのですが、理に適った戦法選択なのかもしれません。やはり、私なら64歩と止めて玉頭に盛り上がりたかったかなと。

第5局も楽しみです。

4/9

https://www.citibank.co.jp/investment/rates_reports/reports_citi_weekly.html#a02

“こうした議論を基にすれば、現在のように世界経済が停滞するなかでは、金融緩和の結果としての通貨安競争はむしろ有益で、安倍政権も「海外から批判を受け るようなことはしていない」と主張できる。ただし、アベノミクスが日本の内需押し上げに成功せず、世界経済にとってプラスサムにならなければ、「円安は単 なる近隣窮乏化策」との批判に反論しにくくなるだろう。”

経済の実態を好転させていくのが今後の課題ということのようです。公共投資やTPPは、内需押上げに寄与する政策ですから、「方向性はいいので、一層内容を充実させなさい」ということを述べているのでしょうかね。

予算の受け手となるのは、多くは民間企業や自治体ということになりましょうから、腕の見せ所かもしれません。

資本主義にどれほど欠点があるにしても、その長所は資本という概念にあると思います。ある量の資本を労力や資材、土地などに転換して、持続的に経済活動をする。資本という概念自体には、浪費、貪欲さというよりは、勤勉ささえ感じます。もちろん今は、様々なゆがみのようなものが顕在化しているのでしょう。とはいえサステナブルな経済はどんなものかといえば、資本の適切な配分と使用に成功している様子がまずもってイメージされます。

デフレ脱却のために、多額の予算が配分されるはずですが、それを資本と捉えて、持続的な経済発展につなげたいものだと思います。

もちろん、社会デザインのようなもの、要するに社会保障の在り方、こうしたことについて常に考えていかないとならないのは間違いないでしょう。安心感は自己実現の基層に必要なのだそうです。

 

電王戦観戦

http://ex.nicovideo.jp/denousen2013/result.html#content

プロ棋士対COMソフト 5番勝負が面白くて見ています。ここまでCOMの2勝1敗。2局目、3局目とも熱戦で、COMの強さも発揮されていたと思います。

私は柿木将棋、金沢将棋、激指、ボナンザと、ソフトとは何百局も指しているので、いい練習相手としてソフトにも開発者にも愛着があります。あのプロ棋士を相手によく戦っているなという思いもあれば、プロ棋士が最後には勝ち越して欲しいという思いもあります。

第3局、中盤人間優勢で迎えた、飛車か金をとれる場面。人間は堂々と飛車を取り、COMは22玉と上がりました。金を取れば、先手で攻めを続けられるところ、強い人らしく、大駒を取り切って優勢を主張するあたりさすがでした。そして飛車を取らせておいて、王手を避けて玉を上がる。普通大駒を取られると反撃に出たくなるものですが、そこですっと玉を上がるのが、COMとしては劣勢ながらもいい粘りだったと思います。よくいわれるようにその局面も「調べればCOM劣勢」なのは間違いないのですが、逆転が起こりやすい差し回しをしているなと感じました。

私の対戦相手は少し前のソフトではありますが、やはり優勢な中盤で頑強な抵抗をされどんどん陣形を厚くされて困ったことがあります。駒を足すだけでなく「相手の打ちたいところに打つ」ことも知っており、さらにスペースをうまく活用することができます。

本局見ていますと、戦いながら自分の玉を安全にする手順がさらに洗練されてきたなと思います。私の経験では、狭いところに追い込んで、受けずらい形にして、そこで手を渡すような展開が勝ちやすいと記憶してます。筋よくいくより少し損をしても陣形を大きく崩す荒業や、相手陣に張り付いて攻めるが効果的だったような気がしますが、私はもともと駒を立て続けに切って相手を受け無しに追い込む展開を選ぶので、実際は何とも言えません。

強くなっとはいえ、評価関数は相変わらず、精度抜群というわけにはいかないようです。ということは、強い人と指しているのとそれほど変わらず、レベルが同じくらいなら、序盤中盤(詰み・詰めろを除く)終盤、いずれにおいても人間は相手の緩手に恵まれる可能性があります。特にCOMなのに序盤で悪くするというのは、本来ゲーム理論ではありえないことです。形勢誤認があるからこその現象です。悪い局面を論理的によくする順はない(森内名人談)=森内流で短く・正確に読めば、互角かそれ以上に渡り合える。「短く・正確に」はCOM相手には、大切だと私が思うところです。というのも、COMは疲れませんし、短時間で自分の玉の安全を強化する好手を次々に発見します。長大な手順を読んで、後で早指になって読みぬけを少しずつ突かれるよりは、読みにおいては、局面ごとに緩みない手を指し、「筋」や「対局全体の流れ」については、あまり深刻に考えず培った経験をあてにするのがよいと思います。

人同士だと、定跡や前例の選択や大局観を巡る読み合いもあって、分岐点で長い手順を読むこともありますから、短く・正確にといってもどんな将棋にもあてはまるわけではありません。それが難しいところであり面白いところなのですが。やはり長考も将棋の醍醐味なんですね。

ともあれ、電王戦はここまで形勢が何度も入れ替わる激戦が続いていてとても面白いです。

 

Kindle版 2つ目

http://amzn.to/10u4DlF

出しました。今度は「理論の展開」のほうです。 ワードさえあればKINDLE化自体は、本当に5~10分というところです。便利なものです。

暗黒物質(ダークマター)が見つかったとかいう話ですが、そうした発見というのは、思想方面と全然無縁ではありません。思想・哲学の思考の素材は、事柄ということになります。単に言葉をこねているわけではありません。言葉について考える時でも、人は事柄としての言葉を考えます。ですから、事柄としてのダークマターについて考え続けて、何か1本書くことができるという人も現れるかもしれません。昨今では、少々度胸は必要でしょう。「ダークマター哲学」とか、自爆行為みたいに思われますからね。「少し前の発見をもう哲学にするのかよ」と私もそういうの見たらきっと思うでしょう。 しかしながら、そのジャンルの特徴は、コンドラチェフクラスの波で動いているということです。じっと考えておいたことが、しばらく経ってから意味を為してくるということもしばしばです。考えてメモをしておいて損はないです。

これに対して特に今の文化事象の考察というのは、スピード感、ライブ感のある分析と即応性のある発信が重要です。混沌の只中で事象を切り分けるのは、たしかに誰かがやんないとならないという必要性も感じますし、人となりも現れやすいですし、まあ面白いものだと思います。
意味と認識~理論の展開空間の構成~相対性理論の観念的理解について他1篇へのリンク