カテゴリー別アーカイブ: 将棋

6/21

将棋叡王戦が始まりましたね。発表から一か月経たずに予選開始。スピード感がありますね。優勝者はコンピュータソフトとの2番勝負に臨みます。土日にだけやるわけじゃないようですが、ネット中継されるようなので、時々覗くことはできるみたいです。

 

5/5

将棋棋聖戦 挑戦者決定戦

先手豊島対後手佐藤(天)

7手目に先手が角道を止めたところ。
7手目に先手が角道を止めたところ。

7手目は、森内永世名人が採用して話題となった形。26歩25歩、76歩、66歩と、歩を4回連続で進めます。76歩まではすべて先手の権利。後手は76歩に対して、44歩、32銀、42銀、22銀(本譜)などを選ぶことができます。88角成りは今はやりにくいでしょう。44歩なら普通の居飛車対振り飛車。先手でもありますし、居飛車としては不満がありません。22銀を選ぶと本局の66歩と持久戦を目指します。先手が全局を支配すべく歩を伸ばしてます。

 

 

12手目。後手の反撃態勢
12手目。後手の反撃態勢

12手目は後手の方針が決まったところ。63銀は、本局の右四間飛車のほか、陽動振り飛車にできなくもありません。66歩に対して64歩から63銀は、相手の動きを逆用する動きで理に適っていると思います。

32手目。ついに飛車が狙いの6筋に移動しました。この局面は、先手の持久戦は阻止された形ですが、後手の玉の守りは薄くなっています。後手は角も33から51、73と展開しています。堂々と模様を良くしようとした先手に対して、6筋を軸に上手く駒組みをしたように見えます。

 

32手目。後手が飛車と角を移動。
32手目。後手が飛車と角を移動。

早々に先手が25歩を決めるのに対して、後手がどのように対処するかがこの序盤の見どころです。結果は先手豊島七段の勝ち。羽生棋聖への挑戦が決まりました。

 

直観的な戦略決定を行う脳のメカニズムを解明
―棋士の戦略決定は帯状皮質ネットワークで行われる―

有名な理研の研究だそうです。

戦略決定と個々の手の精査(読み)とは違う部位で行われているみたいなことが書いてあります。応用範囲の広そうな研究です。

実際に将棋を指すときには、そのようなことは意識しませんが、いわゆる脳トレだとか、食習慣だとかを通じて何らかの影響を与えることはできるでしょう。

「アマ高段者は攻めバイアスを持つ」そうです。攻めの能力がまず向上し、さらに強くなると守りや受けの感覚も兼ね備えた強さを持つことになるのでしょうか。気質というよりは攻めと守りの難易度、そして相手の攻め/受けの強さから来るように思います。攻めだけが強い相手に対しては、やはりこちらが先に攻める展開が有効であると考えられます。勢い、試合は攻め合いとなる。

守りの手を指すには手を広くたくさん読まなければならないですから、大山十五世名人のように直観的に受けの好手を出せるまでには、地力もさることながら、相当そのような展開を経験していないとならないと思います。

これが別のゲームで守る方が簡単だとしたら、最上位の一つ下くらいの階層のゲーマーは、守りバイアスを持っているかもしれません。

ともあれ、戦略的判断においては、状況の個々の分析を積み上げただけのものではないようだということが伺えます。直観的にいえば、後者のようなやり方で戦略を立てるというのは、ちょっと不足を感じさせますし非効率な印象も受けます。この場合は攻めと守りに大まかに分けていますが、2つなら2つの戦略パターンを個々の状況分析に照らして評価する必要があるように思います。個々の分析が必要な局面であれば、その時点で手持ちの戦略類型を適用せざるを得ず、新たな戦略構想は、個々の状況分析とは違う課題として立案するべきなのかもしれません。

 

4/12

将棋電王戦。人間が3勝2敗で勝ち越して終わりました。

21手で開発者が投了したそうです。後手COMが28角と打ったもののその角が捕獲される展開。
28角みたいな手を今のソフトも打つんだなというのが感想でしょうかね。こういう手を打ってしまうのをプログラムで防ぐことができないなら、電王戦の条件で戦うとソフトは負けるということになります。負けた手や悪くなった手を2回指さない工夫ができれば、ハメ手順は利かないことになりますが、当日対局用のソフトに学習結果が蓄積されるのでないとそれも効果を発揮しません。R3000を超えてくるような強さを持っているのに、こういう隙があるのは少々驚きでした。R3000はおろかR1600もあれば人間はそういう筋にはいかないと思います。人とコンピュータの違いが現れていて面白かったです。開発した人は無念かもしれませんが、必要は発明の母。またすごいソフトに生まれ変わってくると思います。

ただ投了局面は、角損か、角桂、角銀交換になりそうではありますが、先手が勝ちきるのも大変そうです。駒割だけが大優勢というのは、案外指しにくく、受け身になってしまうことがあります。投了せずに指し続けても面白かったと思います。

それはそうと、この種の手が飛び出す超急戦は考えていて楽しいです。序盤から飛車と角を交換して敵陣にいきなり打ち込んで、それが成立するのかしないのか。成立すると思って指したのに成立しないと本局のようになります。類型の少ない急戦を指そうと思って研究すると、一番激しい変化を考えることになり、定跡に隠された変化を知ることができます。たいていの場合超急戦の仕掛けはやや無理、成功するとしたら相手は初めから回避してくるのでその形を受けてくれないという結論になります。

藤井システム、横歩取り、相掛かりなどは、超急戦の変化があって、怖いながらも指したい形です。横歩取り45角や角換わり先手棒銀はその中でも実戦例が多く練習に適していると思います。横歩取り23歩のほうは、手が広くて難しい将棋になります。

先日電王戦第3局で現れた横歩取り33桂は、私の考えでは先手有利。後手のCOMはハメられたのかな?くらいの感覚です。あまりに軽い。ただ実際勝ったのは後手ですし、有力なのかもしれません。45歩と位をとったり55歩とする脇流もありますが、先手に裁量を与えすぎるため、後手での研究はしずらい戦型です。有名なのは名人戦の佐藤-谷川の33桂戦法。わずか66手で佐藤さんが33桂を持って勝ちましたが、すごい将棋でした。33桂で指せると考えることが驚き、薄い陣形なのに飛車交換を挑んで陣形をまとめたことが驚き、66手終局で驚きと、驚きの連続でした。

 

3/17

将棋電王戦第1局の棋譜を見ました。戦型は後手四間飛車相穴熊模様の急戦でした。http://ex.nicovideo.jp/denou/final/

027先手斉藤五段の27手目の57銀は66の銀を引いて角交換を狙ったものですが、いかにも咎めに行ったという雰囲気の手です。後手は61金が浮いており、2筋も守備が弱く見えます。

対する65銀は解説陣から疑問とされた手でした。形としてはこのように出ることはよくあります。本局の後手の陣形で成立するかどうか。

 

03636手目の後手44角。ここで何か後手に工夫がなかったかなと思います。自分は攻めが好きなのですが、ここでこれしかないのはちょっと苦しい。単調な攻めで自信がないです。単に72銀とするか。おそらく、ここで47歩成りでは、攻め合ってまずそうなので、44角と王手で攻めを加えたのでしょう。私からすると、つまりは攻め合うのはちょっと苦しい局面だったように思います。

 

03737手目55角。私も55角とさしたいなと思ってました。77角は強い人の指し手で、相手の駒を呼び込んで指しにくい。65の銀が77にいる駒と交換になったり、87に捨ててこられたりするのは、強い人でないとしっかり受けるのは困難です。55角同角同歩といった展開で、自陣を広げながら受けたいと思います。

 

04040手目47歩成り。龍をつくらせた以上こうする、みたいな意地でもあるのか、72銀とはせずにあくまで攻め合う後手のCOM。しかし、王手の角の筋が先の55角同歩の交換によって消えており、さっきむりならここでも無理というのが、読みとは別の推論というものです。将棋の場合読んでいるといい手が見えることがあるので、そうした推論・推理を頼るのはいいことばかりではありません。

開発者の人も言っていましたが、このソフトは振り飛車の強さをあまり信頼していないように思いました。72銀とか、端歩をつくとか、時間差で陣形をまとめるとか、ふところ深く戦うのが振り飛車の魅力で、居飛車からすると、それが実に戦いにくい印象を与えます。

04545手目64龍。できれば引かずに決めてしまいたい場面でしたが、引いたということは、少し足りないということですかね。44角あたりの局面とは違い、この局面で居飛車を持つと寄せから考えたくなります。

 

 

05757手目39金は、いかにも感触のいい手。飛車成りと角成りの効果を大幅に減らしました。

115手まで先手斉藤五段の勝ち。57銀と相手の駒組みを咎めにいってそのままリードを広げて勝ちました。プロ棋士にとっては幸先のよいスタートとなりました。