カテゴリー別アーカイブ: 将棋

4/12

将棋電王戦。人間が3勝2敗で勝ち越して終わりました。

21手で開発者が投了したそうです。後手COMが28角と打ったもののその角が捕獲される展開。
28角みたいな手を今のソフトも打つんだなというのが感想でしょうかね。こういう手を打ってしまうのをプログラムで防ぐことができないなら、電王戦の条件で戦うとソフトは負けるということになります。負けた手や悪くなった手を2回指さない工夫ができれば、ハメ手順は利かないことになりますが、当日対局用のソフトに学習結果が蓄積されるのでないとそれも効果を発揮しません。R3000を超えてくるような強さを持っているのに、こういう隙があるのは少々驚きでした。R3000はおろかR1600もあれば人間はそういう筋にはいかないと思います。人とコンピュータの違いが現れていて面白かったです。開発した人は無念かもしれませんが、必要は発明の母。またすごいソフトに生まれ変わってくると思います。

ただ投了局面は、角損か、角桂、角銀交換になりそうではありますが、先手が勝ちきるのも大変そうです。駒割だけが大優勢というのは、案外指しにくく、受け身になってしまうことがあります。投了せずに指し続けても面白かったと思います。

それはそうと、この種の手が飛び出す超急戦は考えていて楽しいです。序盤から飛車と角を交換して敵陣にいきなり打ち込んで、それが成立するのかしないのか。成立すると思って指したのに成立しないと本局のようになります。類型の少ない急戦を指そうと思って研究すると、一番激しい変化を考えることになり、定跡に隠された変化を知ることができます。たいていの場合超急戦の仕掛けはやや無理、成功するとしたら相手は初めから回避してくるのでその形を受けてくれないという結論になります。

藤井システム、横歩取り、相掛かりなどは、超急戦の変化があって、怖いながらも指したい形です。横歩取り45角や角換わり先手棒銀はその中でも実戦例が多く練習に適していると思います。横歩取り23歩のほうは、手が広くて難しい将棋になります。

先日電王戦第3局で現れた横歩取り33桂は、私の考えでは先手有利。後手のCOMはハメられたのかな?くらいの感覚です。あまりに軽い。ただ実際勝ったのは後手ですし、有力なのかもしれません。45歩と位をとったり55歩とする脇流もありますが、先手に裁量を与えすぎるため、後手での研究はしずらい戦型です。有名なのは名人戦の佐藤-谷川の33桂戦法。わずか66手で佐藤さんが33桂を持って勝ちましたが、すごい将棋でした。33桂で指せると考えることが驚き、薄い陣形なのに飛車交換を挑んで陣形をまとめたことが驚き、66手終局で驚きと、驚きの連続でした。

 

3/17

将棋電王戦第1局の棋譜を見ました。戦型は後手四間飛車相穴熊模様の急戦でした。http://ex.nicovideo.jp/denou/final/

027先手斉藤五段の27手目の57銀は66の銀を引いて角交換を狙ったものですが、いかにも咎めに行ったという雰囲気の手です。後手は61金が浮いており、2筋も守備が弱く見えます。

対する65銀は解説陣から疑問とされた手でした。形としてはこのように出ることはよくあります。本局の後手の陣形で成立するかどうか。

 

03636手目の後手44角。ここで何か後手に工夫がなかったかなと思います。自分は攻めが好きなのですが、ここでこれしかないのはちょっと苦しい。単調な攻めで自信がないです。単に72銀とするか。おそらく、ここで47歩成りでは、攻め合ってまずそうなので、44角と王手で攻めを加えたのでしょう。私からすると、つまりは攻め合うのはちょっと苦しい局面だったように思います。

 

03737手目55角。私も55角とさしたいなと思ってました。77角は強い人の指し手で、相手の駒を呼び込んで指しにくい。65の銀が77にいる駒と交換になったり、87に捨ててこられたりするのは、強い人でないとしっかり受けるのは困難です。55角同角同歩といった展開で、自陣を広げながら受けたいと思います。

 

04040手目47歩成り。龍をつくらせた以上こうする、みたいな意地でもあるのか、72銀とはせずにあくまで攻め合う後手のCOM。しかし、王手の角の筋が先の55角同歩の交換によって消えており、さっきむりならここでも無理というのが、読みとは別の推論というものです。将棋の場合読んでいるといい手が見えることがあるので、そうした推論・推理を頼るのはいいことばかりではありません。

開発者の人も言っていましたが、このソフトは振り飛車の強さをあまり信頼していないように思いました。72銀とか、端歩をつくとか、時間差で陣形をまとめるとか、ふところ深く戦うのが振り飛車の魅力で、居飛車からすると、それが実に戦いにくい印象を与えます。

04545手目64龍。できれば引かずに決めてしまいたい場面でしたが、引いたということは、少し足りないということですかね。44角あたりの局面とは違い、この局面で居飛車を持つと寄せから考えたくなります。

 

 

05757手目39金は、いかにも感触のいい手。飛車成りと角成りの効果を大幅に減らしました。

115手まで先手斉藤五段の勝ち。57銀と相手の駒組みを咎めにいってそのままリードを広げて勝ちました。プロ棋士にとっては幸先のよいスタートとなりました。

 

 

 

 

 

12/10

ばたばたと過ごしているうちに将棋竜王戦が終わっていて、糸谷新竜王が誕生しました。若い世代の強豪として知られていましたが、ついにタイトル奪取。終盤競り勝つ戦いが多く好調を感じさせましたが、森内さんに4勝1敗で勝ったのは見事だと思います。

第2局を見直しました。糸谷さんが昔から指している後手一手損角換わりです。この線型は、後手がこの形に誘導しやすいというのが利点の一つです。事前研究の段階で受け身にならなくて済む面があるかもしれません。

http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/27/ryuou201410300101.html

先手森内さんはは22手目46歩から後手に仕掛けさせる作戦を取りました。角換わりではこのあたりからすでに相当難しい局面になります。先手が右辺で攻撃を仕掛ける間に後手は陣形を整え鋭い反撃を決めたという将棋に見えました。手の広い局面での指し手、終盤での競り合いに糸谷さんは強さを見せています。

 

 

11/26

将棋電王戦で、カスパロフ対羽生名人のチェス対決があるそうです。羽生名人はチェスの日本ランキング一位ということです。チェスは、将棋と似ていますが、ステイルメイトのような独特の引き分けルールなどもあって、特徴があるゲームです。人間にとっての難しさは、チェス>将棋>囲碁ですが、コンピュータにとってはこれが逆になっているようですから面白いものです。

リアル車将棋というのもやるみたいです。これはどんなことになるのか想像できないですね。羽生対豊島戦ですが、角変わりとか横歩取りとか、容赦ない駒交換の戦いになりますと運転手は忙しくなりそうです。このカードだと、どうもそうなるような気がします。4枚の香車が動かずに終局とかも怖いですね~。羽生名人の角打ちは盤面を広く見た好手が多い印象ですから、角の乗り手は心の準備が必要だと思います。

11/6

将棋竜王戦は第3局。

初日が終わり、角変わり腰掛銀の攻め合いになっているようです。

http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/27/ryuou201411060101.html

先手が封じ手なんですね。95歩みたいな手も指したくなります。香車を取りたいというよりは、後手から何かやってもらうという手です。もっとも現局面では、36歩と指されてまずそうですから、結構先手は急がなければならない局面のようです。26飛車なら普通に49角とされて、どうしようという感じですね。自分なら45銀と攻めていく手を選びそうです。74歩・36歩に45銀は37歩成りで負ける。45銀に36歩なら同銀。もう少し膠着していたら95歩を指したかったです。

電王戦もみました。ソフト強くなってますね。一手いい手を指したくらいでは優勢にはできなさそうです。相当読みの量が多く、手の取捨選択の感覚に優れたプロでないと勝てないかもしれません。長考してもやっと互角くらいだったら、後半に体力がきつくなる可能性があります。「私なら~して戦う」という作戦はありますが、この強豪ソフトと来春に戦うプロ棋士たちはきっとそれを上回る対策を披露してくれるでしょう。今年も去年も勝った棋士の差し回しは、あっといわせるものがありました。ソフトといえば、ボナンザの最初期版も本当に強かったですが、それからレーティング1000点以上強くなっているんですね。ちょっと想像がつかないような強さです。