カテゴリー別アーカイブ: 将棋

10/4

「棋は対話」

角筋を止める普通の三間飛車が居飛車党に何を語っているかというと、「急戦を仕掛けても無駄だ」と語っている。居飛車の急戦に対して振り飛車はたいてい3筋(7筋)に飛車をよって防戦・反撃する。三間飛車は、飛車移動の一手を省略して、急戦に備えていることになる。

そこで居飛車は考える。「急戦は相手の望むところ。ここは穴熊やむなし」。この会話がどちらの得かは、なんとも言えないところだが、居飛車穴熊の勝率が高いのであれば、居飛車に有利ということになるだろう。

実際、相手が三間飛車で、こちらが穴熊を目指して77角と上がる味は抜群によい。駒が指を通して勝ったと語りかけてくるような味のよさである。

ふつうの三間飛車の魅力は駒の捌きである。飛車を角の陰に隠しておいて、相手の攻めを引き付けて一気に捌く。三間飛車にこだわって指すとしたら、居飛車の持久戦対策が不可欠だ。強い人はどんな戦型でも勝つから、やりようはあるはずだが、上述の裏返しで、相手に77角と上がられたときには、あまり勝てる気はしない。14歩から端を突き越して、12飛車14飛車はあるかもしれない。12飛車を緩手とみて攻めてくれれば、また32に戻る手もある。そこで私が居飛車なら16歩と受けておくので、そのときどうするかということだが。端に争点もできたので、普通に組んで指すことになりそうだ。

飛車側の端歩では、三間飛車の利点は生きる。急戦に最初から備えているので、ここに手をかけられる。玉側の端は、四間飛車とちがって攻撃力がやや弱いので、居飛車にとっての脅威という面では少し物足りない気がする。

5/27

将棋の大山升田戦の棋譜を並べていると、5不突き矢倉があった。私は、初期のゲームソフト相手によくこうした形を指していたので懐かしかった。角を換えない角換わりと思ってくれれば、おおかたイメージできると思う。駒組は窮屈だが、攻撃態勢をうまくつくれると、いっぺんに駒が捌ける。

将棋の駒組においては、角の使い方がポイントになりやすい。角を狙われて戦いにくくなることがしばしばある。角換わりは、角を早々に駒台に載せてしまおうという戦法だ。これは理にかなっているが、相手の角打ちを常に警戒する必要もでてくる。

一度33銀と上がり、角と銀を被らせてから銀を引いたり引き角にしたり、あるいは、すぐに44角と出ることもある。いろいろできる戦法だが、先手が25歩としてくれるほうが助かる。最近は25歩を保留することが多いのでやりづらい。単に33を上がると、そこをつかれてしまいそうだ。

しかし、棋譜を並べていると何か工夫すれば指せるような気がするのが不思議だ。

 

 

2-18

将棋の朝日杯で、藤井さんが優勝しました。中学生で優勝とはすごいことです。準決勝、決勝といずれも先手番から攻めて勝ったようです。

さて、広瀬さんとの決勝は、私も昔から好きな、角がわり腰掛け銀という由緒ある戦型になりました。この将棋を見てましたが、プロが後手でこの形にするということは、この将棋の後手の待ち方が今のところ良いとされているのだと推測します。少し指しにくさを感じる形で、玉が4筋にいるときに仕掛けられるのも、これが後手最善だとしても、自信のない展開です。もともと、角がわり後手は、受けになりがちですが、こう指さなければならないのだとしたら厳しいなと思います。65歩突いて待つ形などではだめなのでしょうか。

 

 

 

7/10

ワーストサメ映画の動画を見ていたら、偶然将棋三間飛車のトマホーク戦法なる戦法を見つけました。三間飛車側が玉側の桂を端にはねていくという戦法らしいです。本まで出てるらしいです。知りませんでした。
居飛車の感覚からするとふつうの三間飛車になったとたん、指し手の力が同じなら7割くらいは勝てそうなイメージがあります。
考え方は藤井システム同様のようで、居飛車が穴熊にしようとするところを、桂馬と、左側の銀、そして角を使って攻め込もうというものです。こういう指し方があるのなら、三間飛車も面白いかもしれません。ただ、桂は不可逆駒ですから、端に跳ねるタイミングに気を使いそうです。
居飛車を持っていたら、じっくり指して悪くはならないという印象を受けます。三間飛車はこの動きを見せることで、居飛車の攻めを誘発したいところです。やはり端桂を跳ねずに誘うのが理想だと思います。

6/28

17手目36歩将棋竜王戦の本戦トーナメント

齋藤対千田戦です。若手強豪同士の戦い。対戦成績は齋藤6段の4勝0敗。戦型は角換わり腰掛銀。

序盤。先手に分が悪い形。たぶん早繰り銀にすると勝率が悪いんじゃないかと思います。本局は先手が腰掛銀にしたので、類型の多そうな形になりました。

 

 

37手目45歩45手目は仕掛けの場面。同形の将棋ではよくある仕掛けで、4筋、2筋、1筋、7筋と次々に歩を突き捨てます。本局の注目は9筋の端歩です。通常両者ともついてありますが、本局はついていません。先手が誘導した感のある形なので、先手がどのような工夫を用意しているのか。先手は玉が狭いかわりに、後手からの9筋の攻めの手がかりをつくりません。こういう形を今勝っている若手が指すと、何か面白いことがありそうだと思ってしまいます。

 

 

56手目後手38角56手目38角の前には、61角、94角、同歩、61角という攻防がありました。先手は一手損しています。つまり、55手目61角の局面で、後手は94歩を0手で指していることになります。61角で攻め切れるということか、96歩と突いてないから、後手が94歩と打ってもそれほどプラスではないと見ているのか。73桂を跳ねていると、8筋の継ぎ歩から93桂という手もないので、本局の先手が手損を避けなかったのも分かる気がします。後手の94角は、先手に34角成りとしてみろ、と催促する手でもあったようです。94角と打つときは、半分以上はそちらから考えると思います。

どちらを持っても指したくなる手がありますので、今後も出現するかもしれません。