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将棋電王戦 

第4局は 森下9段対ツツカナ戦。矢倉で中盤まで互角でしたが、中盤から終盤にかけて、ツツカナがリードを広げる展開。疲れないソフトの強さが出た展開でした。ツツカナの、58歩成り捨てへの対応がよく、少し差がついたようでした。後手森下9段としてはいい流れで中盤を戦っていたと思います。

第5局は 屋敷9段対ポナンザ。商品化間近の強豪ソフトポナンザが登場。私もその強さは将棋倶楽部24で知っていますが、トップクラスのアマチュア棋士さえ寄せ付けないその強さはとにかく驚異的でした。先手屋敷9段の横歩取り。この将棋では、以前観戦したときにも見たポナンザ流の指し方が現れ興味深かったです。特定の駒に狙いをつけて取り切ってしまう駒得ルーチンのようなものが発動し、トップクラスのアマチュアを一方的に破っていました。形勢判断の精度がかなり高いので、駒と取っている間に寄せられているというような昔のソフトのようなこともありません。少しくらい模様がよくなればいいですが、ただ単に駒が取られてしまいかねません。

これが発動する展開はポナンザのペースなので、自分がもし指すのなら、駒得ルーチン発動は絶対に避けなければならないと思っていました。しかし中盤ポナンザが16香と、屋敷9段の角を狙い、さらに角を詰まして、これは屋敷9段ピンチかと思われました。しかしプロ棋士というのはやはり強いもので、1.香を打たせて空振りさせ、2.金を戦場から遠ざけさせ、3.「と金」をつくって攻めに使いたい歩を34に打たせ、4.さらに桂を使わせて取られるのは仕方ない角と交換する、というふうにうまくまとめあげました。これには感心しました。駒損ながらほぼ互角のまま終盤に突入し、一時は逆転したかという場面もありました。しかし、終盤戦、わずかな疑問手を境にポナンザがリードを広げて勝ちました。

屋敷9段といえば、昔は序盤中盤で案外簡単に形勢を悪くするので、ソフト相手に序盤を悪くしたら苦戦するだろうと思っていましたが、本局はそんなことはありませんでした。もっとも飛車交換が予定とは思えず、もう少し差をつけておきたかったような気はします。駒損のときの柔らかいまとめ方や手の稼ぎ方はさすがで、昔からこういう受けで不思議な逆転勝ちをしていたように思います。柔らかくしのいでおいて、ものすごい厳しい寄せがさく裂するので、見ていて面白い将棋を指す人です。研究十分の相手にあっさり苦戦に陥るのは、中学生プロ棋士たちにも共通する特徴で、もとから将棋が強いタイプは、元が強いので形勢を楽観するようです。

このシリーズのレギュレーションは、時間とかPCについては今回くらいで丁度いいように思いました。ソフトを擬人化する必要性はそれほどありませんから、貸与はあってもいいんじゃないでしょうか。ソフト貸与期間の半年が長いなら、3カ月くらいでもいいと思います。プロ棋士との戦いで評価関数がどういう形に進化していくのか、さらに項目が増えていくのか、もう少しシンプルな最適な形でもあるのか、まったく従前と違う考え方のソフトが現れるのか、そういうことを想像するのも楽しかったです。来年も見たいです。

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